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『古田織部~織部狩りの理由(わけ)⑪』
ぐい呑み考 by 篤丸茶道の世界では、茶碗が茶会全体を象徴するマイクロコスモスとされます。だとすれ... ぐい呑み考 by 篤丸茶道の世界では、茶碗が茶会全体を象徴するマイクロコスモスとされます。だとすれば、ぐい呑みはナノコスモス。このような視線に耐える酒器と作家を紹介します。 利休と秀吉の間に起こった悲劇は、織部と家康の間で反復される。朝顔の一件のような出来事が前者の間で積み重ねられたように、後者の間にあっても、清韓禅師のような出来事が繰り返されたにちがいない。とくに織部の場合は、瀬田の唐橋や佐竹の陣での竹束のエピソードで明らかなように、思い込んだら周囲を気にすることなく夢中になる傾向があるので、あるいは利休よりもずっと家康の機嫌を損ねる機会が多かったかもしれない。神屋宗湛は織部の歪み茶碗のことを「ヘウゲモノ」(ひょうきんな、おどけたひと)と呼んだ。織部はふざけてこの茶碗をつくらせたのか。けっしてそんなことはない。本人は大真面目だったはず。歪んだ茶碗を前にして、その異様があまりに現実離れして