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『#038 茶色いお弁当 不在の4番バッター』
小さい頃は、どこのお母さんもお弁当なんてちょちょいのちょいと作っているものだと思っていた。 お母さ... 小さい頃は、どこのお母さんもお弁当なんてちょちょいのちょいと作っているものだと思っていた。 お母さんは料理ができて当たり前で、おいしくないのはルール違反だと思っていた。 そして、 僕はお母さんが大好きだったけど お母さんの作るお弁当だけは好きになれなかった。 小学校5年生のころのボクの話です。 学校ではごくたまに給食が休みの日があり、お弁当を持ってこなければいけない日があった。 ボクはその日が好きじゃなかった。 お昼が刻一刻とせまってくるたび、妙な焦燥感が湧いてくる。 やがて来たお弁当の時間、できればボクだけ別の場所で食べたいと思うくらいに嫌だった。 「いただきます」 目の前では、みんな何のためらいもなくお弁当箱のフタを開けている。 みんなのお弁当はキレイな色で彩られ、おかずの配置もしっかりと考えられたパーフェクトなお弁当に見えた。 ボクも意を決してお母さんが作ったお弁当を開けてみた。 や