『なぜ若者は「イスラム国」をめざすのか―ノルウェーの場合（1）』

ヨーロッパから「イスラム国」に向かう若者たちの存在が注目されている。このイスラム国は、シリアとイラクの一部を支配している急進的な勢力である。すでに１万数千人とも言われる人々がヨーロッパから流入している。 なぜ、ヨーロッパの若者たちはイスラム国に惹かれるのだろうか。どのような若者たちがヨーロッパから中東に向かうのだろうか。その実態をノルウェーで取材した。 ヨーロッパからイスラム国に参加する若者の大半は、移民２世や３世のイスラム教徒である。ヨーロッパの中ではフランスからイスラム国へ向かう若者が一番多い。ノルウェーからも少数ながら、参加者が出ている。ノルウェーの場合、イスラム教徒移民の流入の歴史は新しい。１９６０年代末に始まったノルウェーの石油開発ブームが労働者としてイスラム教徒をパキスタンなどから引き寄せた。出身者の多さで言えば、パキスタン、ソマリア、イラク、イランなどが拮抗している。その新し