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始原へ遡る/建築史的モンダイ(藤森照信) - 見もの・読みもの日記
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始原へ遡る/建築史的モンダイ(藤森照信) - 見もの・読みもの日記
○藤森照信『建築史的モンダイ』(ちくま新書) 筑摩書房 2008.9 いや相変わらず面白いなあ、藤森先生... ○藤森照信『建築史的モンダイ』(ちくま新書) 筑摩書房 2008.9 いや相変わらず面白いなあ、藤森先生。もともと近代建築史が専門だった著者が、日本の近世や中世の古建築についてコメントしていることには気づいていたが、いつの間にか、中世ヨーロッパ建築、初期キリスト教建築に関心を広げ、ローマとギリシャとエジプトは軽くすませ(著者の表現)、さらにその先の新石器時代の建築(!)へと遡り、人類の「建築的想像力」の始原まで探究を進めている。おそるべき「力技」である。 その「始原への旅」の途中にも、いろいろと興味深い寄り道モンダイがころがっている。たとえば、宗教的施設のタテヨコ問題。著者によれば、初期キリスト教会は円形だったと思われるが、次第に縦長(バシリカ式)になる。一般に宗教建築は「正方形か円形か縦長」になるのだが、日中韓ベトナムだけは横長。これは中国仏教が、祀る対象を超越的な存在と考えず、住宅(横