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祈り - ゆっくり読書
上海の市営バスに載っている時、ちょっとふてくされながら道を歩いているとき、 無性にマイケル・ジャク... 上海の市営バスに載っている時、ちょっとふてくされながら道を歩いているとき、 無性にマイケル・ジャクソンの歌を聴きたくなる時がある。 私にとってのマイケル・ジャクソンは、小林秀雄にとってのモーツアルトだ。 ちょっと、かっこよく言ってみた。 マイケル・ジャクソンの音は、彼のダンスと一体になることによって、 空間のゆらぎを表現する。 常人の聴覚では拾うことができないが、 空間の波としては五感で感じるわずかなゆらぎを、 彼は、たぐいまれなダンスで、視覚的にわかりやすく表現した。 だから、彼の曲は、 音として表現されていないけれど、 五感をフル稼働したら感じ取れる「音ではない音」で満たされている。 そう思う。 でも、マイケル・ジャクソン自身は、何とか音だけでそれを伝えられないかと 模索し続けたのだと思う。 そして1つの結晶ができた。「Human Nature」という曲だ。 この曲は、週末の午後の、昼