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『キャロル (河出文庫 ハ 2-12)』(パトリシア・ハイスミス)の感想(88レビュー) - ブクログ
ハイスミスは、本格ミステリ、暗いミステリ、と思っていて読んでいなかったのだけれど、この作品はミス... ハイスミスは、本格ミステリ、暗いミステリ、と思っていて読んでいなかったのだけれど、この作品はミステリではなくて恋愛モノ、ときいて、しかもものすごく評判がいいし、映画のほうの評判もすごくいいので読んでみたんだけど、評判どおり、すごくよかった。まったくミステリではなくて、文章も純文学っぽく、雰囲気があって、美しい。 主人公テレーズがデパートの売り子っていうのはきいていたけど、舞台美術家志望ってきいたらもっと早く読んだかも。舞台の話がちょっと出てきたり、彼女がセットの模型つくったりしているのが楽しい。時代は1950年代、そのころのニューヨークのデパートや街の雰囲気、ふたりが旅するいろいろな街のホテルの感じとかが素敵。 テレーズは十九歳、彼女が恋するキャロルは妻であり母であり、30代後半くらい?、そしてテレーズと同じデパートで働く中年の独身女性、旅先で知り合う老女、とか、年齢のことを考えさせられた
2015/12/08 リンク