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午後6時。戦いのゴングは鳴る。ゴングは中ジョッキがぶつかりあう乾いたガラスの衝突音。ゴヅチーン。衝... 午後6時。戦いのゴングは鳴る。ゴングは中ジョッキがぶつかりあう乾いたガラスの衝突音。ゴヅチーン。衝撃が古代シダ科の葉脈のように僕の痛んだ腰の隅々に響き渡っていく。テナントビル三階に入っている居酒屋がコロシアムで、膝が付いてしまうような小さな正方形のテーブルがリング。青コーナーが部長で赤コーナーが僕。乾杯の際の不幸な事故を装った僕の殺人中ジョッキパンチを「なんだ今日のお通しは?貝か?何の貝だ?おい?」ダッキングで部長が軽くかわし、僕の拳は宙を切る。そこに部長が反則吐息カウンター攻撃。「ブフゥー!。今日のビールは格別だなあ」。知るか。臭い。この若気が致命傷になって生ビールを飲むふりをしながら鼻を塞ごうとする動作が僅かに遅れ、臭気の侵入を許してしまう。テーブルの飛び越えて流れこんでくる匂いはピザに似ていた。脇なのか口なのか頭皮なのか。発生源を特定しようとする試みは数秒の抗戦ののち、戦意と共に永遠
2008/10/15 リンク