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68 ドイツのゆで卵 | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 石井 正人) | 三省堂 ことばのコラム
エッグスタンド Eierbecher に立てたゆで卵を、そのままタマゴ用スプーンで上手に食べるのにはなかなか... エッグスタンド Eierbecher に立てたゆで卵を、そのままタマゴ用スプーンで上手に食べるのにはなかなか熟練が必要である。最初の段階で、どうやって殻の上部に口を開けるか、である。 通例は、スプーンの背で卵の頭を軽く叩いて、適当な範囲にひびを入れ、手で小さくむしり取る。確実だが、口の周りがギザギザになることは避けられない。それに、手を使うのもはばかられる。 そこへいくとドイツ人はみな、ナイフで上手にスパッと卵の殻の上部を薄く切り取る。まねをして何度かやってみると、思い切りさえ良ければ、何かの剣法のように不可能な技術でもないことが分かる。どうしても端に小さなギザギザが出来てしまうが。これはドイツ人でも全員なんなくやってのけられることではないらしく、ゆで卵用はさみ、というものを妻がドイツで見かけたことがあるそうだ。それ以後見かけないので、あの時買っておけば良かったと、しきりに悔やんでいる。
2012/06/13 リンク