東京は“笑える謎”の宝庫？ 30年撮り続けた122点の写真集 | AERA dot. (アエラドット)

謎めく東京 （※写真はイメージ） （ｃ）朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 作家の片岡義男氏が選んだ“今週の一冊”。今回は『東京ワンダー 揺らぐ街』（熊切圭介、クレヴィス 1852円）。 ＊ ＊ ＊ 写真家は東京の下谷で生まれた。 東京の人だ。だからその東京が写真の被写体になるとき、写真家は東京に対して自由自在だ。 その東京は、写真家によれば、「不可思議な魅力」を持った場所だ。「右に左に前に後ろに揺らいでいる」という。この写真集の題名に『揺らぐ街』とあるのは、そのことによっている。「揺らぐ」という言いかたは、「捉えどころがない」という言葉に置き換えることが出来る、と写真家は言う。 捉えどころのなさは、なぜそうなのか、誰にもわからない謎でもある。写真家自身によるあとがきの題名は、「謎多き街を撮る」となっている。謎は、じつに多くの場合、おかしみをたたえている。謎はおかしい。笑いを誘う。写