6万4000人に計算させ、天気を予測する…途方もない「天気予報工場」を夢想した「天才数学者」をご存知ですか？（金 重明）

6万4000人に計算させ、天気を予測する…途方もない「天気予報工場」を夢想した「天才数学者」をご存知ですか？ この説明を聞けばわかると思うが、入力も計算もかなり力を要する作業となり、計算のスピードはそろばんの足元にも及ばない。手計算と比べても、はたしてこの計算機のほうが速かったかどうか疑問なのだが、それでもこの計算機が生産され売られていたということは、それなりに需要があったということなのだろう。 しかしこんな計算機を使っていては、六万四千人の若者を集めたところで、リアルタイムの天気予報など不可能だろう。実際、リチャードソンの夢が実現することはなかったが、現在の天気予報はコンピュータを用いて、リチャードソンが構想したとおりに進められており、リチャードソンは数値計算にもとづく気象予報の先駆者として、そしてかれの夢は輝かしき失敗の報告として記憶されている。 ＊ さらに、【つづき】「数学者が腰を抜