作家の死は登場人物の死…「伝説の作家」原尞さんの死で幻となった私立探偵・沢崎シリーズ最終作 - スポーツ報知

本当にショッキングな訃報だった。 １９８９年に直木賞を受賞した「私が殺した少女」などで知られる作家・原尞さんが４日、福岡県内の病院で死去した。７６歳だった。 ８８年にストイックな私立探偵・沢崎が活躍する長編「そして夜は甦（よみがえ）る」で作家デビュー。米作家レイモンド・チャンドラーの影響を受けた作風で日本のハードボイルド小説界に新風を巻き起こした原さん。 デビュー以来１６年間の作家生活で４作のみ（当時）と極端な寡作で知られた作家に生まれ故郷・佐賀県鳥栖市のジャズ喫茶「コルトレーン コルトレーン」でインタビューしたのは、０５年１月１２日のことだった。 鳥栖市内の自宅からママチャリに乗って、兄の経営する店に駆けつけてくれた原さんは九州大文学部卒業後、フリージャズのピアニストとして活動した経歴も持つ作風通りのハードボイルドな雰囲気を身にまとった５８歳（当時）だった。 自身もピアノ演奏をする店内で