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「これは、私の書いた『東電OL殺人事件』を超える事件だ」と帯に書く佐野眞一、怒りに燃えた渾身の一冊... 「これは、私の書いた『東電OL殺人事件』を超える事件だ」と帯に書く佐野眞一、怒りに燃えた渾身の一冊である。その怒りが読む側にもひしひしと伝わってくる、死刑判決も記憶に新しい「首都圏連続不審死事件」、毒婦・木嶋佳苗についての本である。ワイドショー的事件はけっして嫌いではない。しかし、この事件だけは、何故か見聞きするのが忌まわしいような気がして避けていた。しかし、佐野眞一が書いたというので、この本を買った。読み終えて、本能的に避けたいと思った理由がわかったような気がしている。 佐野眞一のファンである。正力松太郎を描いた『巨怪伝』以来、ほとんど読んでいる。なかでも気に入っているのは、ダイエーの創業者・中内 功を描いた『カリスマ』。中内は、復員後の昭和32年、大阪市旭区千林に主婦の店・ダイエーを開業した。佐野に場末といわしめるその街に、同じ年、私も生まれた。日本でいちばん物価が安いといわれていた千
2012/06/26 リンク