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『河北新報のいちばん長い日』 文庫解説 by 後藤 正治 - HONZ
二〇一一年三月十一日に勃発した東日本大震災にさいして、地元紙・河北新報が、震災にいかに対応し、何... 二〇一一年三月十一日に勃発した東日本大震災にさいして、地元紙・河北新報が、震災にいかに対応し、何をどう伝えたか……を克明に記すドキュメントである。 河北新報は、宮城・仙台を本拠に、東北各県をエリアとするブロック紙である。震災で本社の建物は持ちこたえたが、沿岸部にある支局や販売店は軒並み被災した。販売店でいえば、店主が死亡した店が三店、全壊が十九店舗。配達員など従業員で亡くなった人が宮城県内で十五人、行方不明者九人と、すさまじい数に達している。新聞社は文字通りの被災者でもあった。 自家発電によって本社ビルの電力は維持されたが、組版サーバーは使えず、水、食料、ガソリン、刷り紙……が窮乏するなか、号外を出し、翌日の朝刊を出し、以降も新聞は途絶えることなく発行され続けた。 それは、記者、カメラマン、デスクなどの編集部門だけではなく、支局、総務、販売、輸送など新聞社を構成する全部局の総力によって維持
2014/04/07 リンク