第32話 業務の引き継ぎ――2 - 山に捨てられた俺、トカゲの養子になる 〜魔法を極めて親を超えたけど、親が伝説の古竜だったなんて知らない〜（可換 環） - カクヨム

探知魔法に映った反応を見る限り、この岬にメタルウルフより早く移動できる魔物は存在しない。 ということは――アレ（・・）が使えるな。 俺はメタルウルフにさっきとはまた違った信号を送り、モードチェンジをした。 現在のモードは「疑似餌の魔力波」だ。 現在メタルウルフの魔石からは、魔物が獲物だと勘違いするような魔力波が放たれている。 この状態でメタルウルフに魔物の近くを横切らせれば、魔物はメタルウルフを追いかけてくるわけだ。 「よし、岬全体を一周してこい」 そう指示すると、メタルウルフは颯爽と駆けだした。 「……あの魔道具、どこに何しに行かせるんだ？」 「猟犬の本領発揮ですよ」 微妙に答えになってないのは自分でも分かってるが、まあどうせ見ればわかるからいいだろう。 「ちょっと一旦休憩にしましょう。昼食でも食べませんか？」 メタルウルフが帰ってくるまで暇なので、早めに昼食を食べることにする。 俺は収