河童のいた穴。 - ココからのブログ

そこは秘密の場所だった。 左手に山の斜面、右手に畑が続く道を進み、ほとんど流れのない堰にかかる、小さな橋を渡る。 そこから少し歩くと、足許が水気を含んだ沼地のようになり、毎回ズック靴が中まで濡れてくる。 そこは驚くほど静かで、誰もいない。 静けさに恐怖を感じながらも、その頃の私は、好奇心の方が先にたった。 毎回、つま先に湿り気を感じながら、沼地を先へと進んだ。 鬱蒼と繁った草木のなかに、池と呼ぶには小さすぎる1メートルくらいの水溜まりが出没する。 そこが私の目的地だった。 「おらだよ」 ここで、水溜まりの黒い丸に声をかけるとき、自分の声が非現実的に感じる。 そして、いつも声をかけた瞬間、しまったと思いながら水溜まりを見る。 しばらくすると、そこから河童が出てきた。 うす緑で狭い肩幅の痩せた体は、小３の私より少し小さい。 大きなギョロりとした目でこちらを見た。 持ってきた給食で残したパンを、

[meganerobo]

不思議な体験ですね。河童さん、助けてくれたのかな？

[urimasaru]

なんだか、切なくドキドキしながら読みました(*'ω'*)✨✨　もともとはお互いに交わってはいけない存在なのかもしれませんね💦　河童さんの気持ちとは無縁な💦　深く想うとイケないのだ、と戒めてくれた、のかも💦

[hdpn]

不思議な体験ですね。僕はカッパや妖怪の存在を信じている一人ですが、彼ら存在と出会えなくなるのは子供の頃には在って、大人になるにつれなくなっていったもの、それなのかな。なんて想っています。

[unagipurinchan]

主人公が突然、河童から冷たくされたのは、大人になりはじめた事が原因だと思います。

[akazukin_diary]

子供の頃、近所には空き地がまだいっぱいあって、中に入って遊んでたなー。大きな水たまりが晴れてても干上がらずにずっと残ってたのを思い出しました。

[mwtstinger]

子供の頃の原風景って、もぅ大人になると二度と取り戻せませんよね。私も似たような経験がありますが、あれは夢だったのか幻視・幻聴だったのか未だにわからないでいます。でも忘れることができない思い出です。