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僕の叔父さん - 傘をひらいて、空を
疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。それで二年ばかり叔父に会わ... 疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。それで二年ばかり叔父に会わずにいたんだけれど、今年はさすがに顔を出そうと思っている。同じ都内に住んでいるのだし。 そう思って、それからため息をつく。僕は叔父がわりと好きなのだけれど、両親は叔父が嫌いなのである。だから僕だけで会いに行くのだが、両親に黙って行くのもなんだか気が引ける。元旦に実家に行ったらタイミングをみはからって言わなければ。 疫病で人づきあいが制限されていたから、この恒例の煩わしさも、僕は忘れていた。年末年始は華やかな休暇であると同時に、もったりとまとわりつくしがらみの季節でもあるのだった。 叔父は僕の父の弟である。 父と叔父はふたりきりのきょうだいで、叔父は独身をとおし、子を持たなかった。だから僕には父方のいとこがいない。祖父母が生きていたころは父も正月の集まりに顔を出していて、そのときは叔父が僕の相手を
2021/12/28 リンク