心覚え - 切り貼り帳

ある所の議論に触発されて考えたこと。 村に入って、古老から、「この祭りの由来は、神功皇后が云々」とか、という話をきいて、信じる研究者はまずおらんと思われる。文書をみると、近世以前にはなかなかさかのぼれない。ほかの地域の事例をみて、中世のものかもしれない、という想像を働かせるのがやっとだろう。もちろん、報告書を書くときは、「神功皇后が云々」は、書かないとか、書いても括弧付きでかかざるをえない。 しかし、村の中では神功皇后がはじめたことになっていて、それをみんな信じているのだから、わたしはそれを否定はしない。村の古老に、「先生、この祭りはどんなもんですか。」ときかれたら、私は、「神功皇后云々ゆうのは、まぁ、どこそこでもいいますなぁ。そういう由来の祭りはこの辺なんぼかあります。」古老は、我が村が一番の知識を与えられて残念に思うはずである。たいていこういうことをいうとちょっといやな顔をされる。 「