昭和前期の事務文書：県立長野図書館で発見 「検閲」の厳しさ随所に 東京・千代田図書館で展示 ／長野 | 毎日新聞

検閲による出版物の処分を記録した昭和前期の事務文書が県立長野図書館で見つかり、先月から東京都千代田区の千代田図書館で展示されている。県短大（長野市）の牧義之助教（３３）が４年前に入手した検閲官の日記も併せて展示され、区立図書館担当者は「人や書物の動きが見える資料によって、検閲制度の全体像に迫る企画になった」と話している。【川辺和将】 明治中期に公布された出版法は、発行前の出版物を内務省に納本することを出版社に義務づけていた。検閲官は出版物の内容が「安寧秩序」や「風俗」を乱すと判断した場合、全国各地の警察を通じて、発行の禁止やページの切り取りなどを命じることができた。