「2024問題」に風穴を 聴覚障害の男性が目指す“地域の足” | 毎日新聞

残業規制強化で運転手が不足する「2024年問題」は、路線バスのような公共交通機関にも影響が及ぶ。そんな現状に風穴を開けようと、奔走する男性がいる。その身のハンディキャップを力に変え、「地域の足」の復活を目指している。 「マイホーム」から始まった夢 埼玉県川口市の松山建也さん（30）が実現しようとしているのは、同県内の路線バスの空白地域に、新規のバス路線を開設することだ。今春、そのための会社も設立した。この目標を抱いたのは、聴覚に障害がある自らの経験が関係している。 初めからバスに関わったわけではない。約10年前、県内の金融機関で事務作業をしていた時に「マイホームを建てたい」と、より待遇の良い仕事を探し、見つけたのはトラック運転手だった。 中型免許を取得し、2015年に同県戸田市の運送会社「グンリック」に入社。翌16年には大型免許も取得した。 生まれつきの感音性難聴で、耳はほとんど聞こえない