大学倶楽部・神田外語大：佐藤栄作官邸文書「楠田實資料」編集した和田純教授 沖縄返還の舞台裏を伝える | 毎日新聞

佐藤栄作政権（１９６４～７２年）にとって最大の政治課題となった沖縄返還から４５年。佐藤首相の首席秘書官、楠田實が残した「官邸文書」が昨年１１月に「オンライン版 楠田實資料」（丸善雄松堂）として刊行され、注目を集めている。楠田と長年つきあいがあり、膨大な資料群を編集した和田純・神田外語大教授（国際政治）に聞いた。 楠田は産経新聞政治部次長を経て首相秘書官に就任。７年８カ月という戦後最長の政権となった佐藤の首相在任途中から退陣までの５年４カ月を務めた。自らは表に立たず国に献身する「匿名の情熱」が原動力だった。 和田教授は、国際交流基金の職員だった８０年代初めに当時基金の監事を務めていた楠田の知遇を得て、楠田の下で基金の日米センター新設に力を尽くした。秘書官時代の記録が「楠田實日記－－佐藤栄作総理首席秘書官の２０００日」（中央公論新社）として２００１年に公刊された際には、政治学者の五百旗頭真氏と