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薬味酢飯 - ヒモの手帖
私は小さい頃、薬味があまり好きではありませんでした。葱なんかはまだ良かったけれど茗荷や大葉のあの... 私は小さい頃、薬味があまり好きではありませんでした。葱なんかはまだ良かったけれど茗荷や大葉のあの独特な香りを嗅ぐと、どうして既においしい食べ物にこんなものを合わせるのだろうとよく不思議に思ったものです。パクチーなどはもう恐怖の対象でしかありませんでした。そんな私をよそに周りの大人たちは蕎麦に鍋、鰹のたたきなんかに、これでもかと山盛りの薬味をのせて、それはもうおいしそうに食べていたのです。それから早十数年、私はすっかり薬味好きとして立派に成長したのであります。クレソンのサラダと根三つ葉のお浸しが同時に食卓にのぼるなんてことはザラもザラ。パクチー料理専門店などにも行きました。そんな私が付き合った彼女が、幼い頃の自分と同じ大の薬味嫌いだったのです。香味野菜はもちろんのこと、胡麻などもダメ。その中で苦心して作ったのが、この薬味酢飯でした。今でも彼女は薬味が苦手ですが、この酢飯だけは大喜びで食べてく