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【全文学賞非受賞記念第一弾作品】「真夜中の弁証法(1)」 - まる猫の今夜も眠れない
真夜中の弁証法 夕景には少し早いのに角膜が暗く世界を映し出している。 左手の指先に小さな痛みが走っ... 真夜中の弁証法 夕景には少し早いのに角膜が暗く世界を映し出している。 左手の指先に小さな痛みが走った。 男は塀のそばを歩くときに指を這わせてしまう癖がまだ抜けない。 今だって塀の荒い塗装箇所が中指を突いた。 皮膚には白く摩擦の証拠が残った。 けれどもその小さな痛みはより大きな痛みの中に埋もれて感じられなくなっていく。 男は自分の臓器という臓器が過剰な収縮をしているような感覚を覚えた。 そして血の代わりにタールのようにどす黒い液体が血管を流れているような不快感に男は餌付くのだった。 空嘔が抑えられない。 男は塀の先に虚ろな視線を送る。 いつもの十字路がある。 街路ではあるが車の通りはない。 住宅街の奥まった場所にある十字路だ。 普段ならばこの黄昏時には定年を過ぎた人たちが自転車をゆっくりと蛇行させている場所である。 男は塀によって視界が遮られた場所に思いを馳せる。 そしてその白昼夢の中に決ま
2024/05/10 リンク