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「御召(おめし)列車」が橋の上に差しかかった瞬間に起爆し、川に転落させる計画だったが…(村上暁彦 / PIXTA)※写真はイメージ 皇室典範等の一部を改正する法律が成立し、7月24日に公布された。 10月24日の施行後は、旧宮家の男系男子を皇族の養子として迎え、皇族となった後、結婚した女性との間に生まれた男子には皇位継承資格が認められる一方、愛子内親王に皇位継承資格が認められない現行制度は維持される。 皇室のあり方に改めて注目が集まる今こそ、52年前の1974年8月14日には、昭和天皇の暗殺を企て、暴力によって天皇制を破壊しようとしたテロ計画が実行に移されようとしていた事実を確認しておきたい。 東アジア反日武装戦線の「狼」による「虹作戦」である。 本稿では、鉄橋に巨大な爆弾を仕掛けて昭和天皇が乗る特別列車「御召(おめし)列車」を爆破しようとしたこの計画が、どこまで具体化されていたのかを追う
妊娠・出産のさなかに女性が自らの命を絶つ例は、警察が把握しただけでも、2022〜2025年の4年間で210人に上った。 日本産婦人科医会(石渡勇会長)の記者懇談会では、自殺対策に取り組む民間団体による妊産婦の自殺の分析と、同医会による全国の分娩取扱施設を対象としたメンタルヘルスケアの調査結果が報告された。 心の不調を見つける仕組みは急速に普及し、一定の成果を上げた一方で、不調を把握した後に専門的な医療へつなぐ体制と、産後1か月健診を終えた後も支援を続ける仕組みには、なお空白が残ることが明らかになった。(ライター・松田隆) 4年間で210人、実数はさらに多い可能性 警察庁は2022年1月から、自殺した女性が妊娠中または産後1年以内であると把握した場合、その状況を自殺統計原票に記録している。 一般社団法人・いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)が同原票データを分析したところ、2022年6
技能実習生、門限破って「ごめんなさい」…反省文“強要”した監理団体に賠償命令 「過度に自由を制約」裁判所が認定 「部屋が狭すぎる」 「ルールを破ると反省文の作成を命じられる」 「転職を妨害された」 技能実習生として来日した女性4名が、劣悪な住環境や過度な行動制限、さらには転職に関する虚偽説明に直面した。彼女たちは監理団体と実習先を相手取り、慰謝料などを求めて提訴。裁判所は、監理団体らの行為を不法行為と認定し、賠償を命じた。 以下、事件の詳細について、実際の裁判例をもとに紹介する。(弁護士・林 孝匡) 事件の経緯 Aさんら4名(※いずれも外国籍の女性、20代後半〜30代)は、技能実習法に基づき来日し、水産物の製造を営む実習先で水産加工の実習を行っていた。彼女たちの受け入れや調整は監理団体が担っていた。裁判所の事実認定によれば、Aさんらは、極めて過酷な環境での生活を余儀なくされていたようだ。
「車」が必要なのに“保有”認めず…生活保護受給者の「自立」を妨げる“行政の運用実態”に、裁判所が発した“警告”が意味するもの 生活保護制度において、自動車の保有は原則として認められていません。制度を支える原資が国民の税金である以上、資産価値のある物品の保有が制限されるのは一定の合理性はあるでしょう。 例外的に容認されるのは、公共交通機関が少ない地域での通勤や、障害者の通院など、やむを得ない事情がある場合です。しかし、法令等が定める要件を満たしていても、頑なにクルマの保有を認めない自治体もあり、地域格差が存在するのが実情です。 車の保有を認める「例外」へのハードルが異常なまでに高いケース、判断基準が不透明なケース、主治医の診断など切実な事情があっても考慮されないケースなどがみられます。 そんな中、裁判所は、生活保護法の趣旨に反する行政の取り扱いに対し、厳しい判断を下すようになっています。しか
佐藤二朗と橋本愛の“ハラスメント騒動”が物議、言い分食い違うも…「両者の間に事実認識のズレはほとんどない」弁護士が評するワケ 7月1日配信の「週刊文春 電子版」、および翌2日発売の「週刊文春」の報道で、突如、噴出した俳優の佐藤二朗と橋本愛の“ハラスメント騒動”。その後、佐藤がSNSや別の週刊誌紙上で怒りの反論をするなど、火種は勢いを増し、炎上を続けた。 4月期に放送されていたドラマ「夫婦別姓刑事」(フジテレビ系)の撮影現場で起こったふたりの間のトラブルは、当初から双方の見解が対立。双方の所属事務所、フジテレビも含めそれぞれの主張が食い違い、大騒動に発展している。(ライター・中原慶一) 橋本側の「制約」が佐藤本人に知らされず… まずはトラブルの経緯を振り返っておこう。 発端となった7月1日の文春の報道によれば、<佐藤は、同作の撮影中、過去のトラウマから、腕と肩以外の接触をNGとしていた橋本と
「植松の考えは真っ当だ」相模原障害者殺傷事件から10年、“賛同”の声に当事者が感じた“もう一つの恐怖” 「『植松の考え方は真っ当だ』『理解できる』——。そんな“賛同”の声が、あの当時は数え切れないほどあった」 精神障害の当事者・Aさんは、10年前の社会の空気をそう振り返る。19人の命を奪った男だけでなく、その思想に同調する見ず知らずの人々の存在に、Aさんは強い恐怖を覚えたという。 2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が殺害された。事件から10年を前に、精神障害者個人及び団体で構成される「全国『精神病』者集団」らが7月14日午後、都内で会見を開き、当事者たちが声を上げた。 会見の参加者らが「事件を報道するうえで、必ず取り上げてほしい」と訴えたのは、事件後に浮上し、そして“忘れられつつある”という措置入院の見直し問題だった。 事件を起こした植松
「黙認されてきたのに、なぜ今」全国でソープランド摘発相次ぐ…“裏事情”と見落とされがちな“最大の被害者”とは【弁護士解説】 各地でソープランドの摘発が相次いでいる。43年続く老舗もその例外ではなかった。 ネット上でも「これまで事実上黙認されてきたのに、なぜ今になって」と疑問や困惑の声が広がる。 和歌山市のソープランド「SK」で売春行為を知りながら個室を提供したとして会社役員の男が逮捕され、仙台市青葉区のMでは運営会社役員ら3人が逮捕、新潟市のZでは代表と従業員の男ら3人が摘発された。 東京・吉原では43年続く老舗Rもターゲットになった。いずれも容疑は売春防止法違反(場所の提供)だ。 仙台のMでは、2026年1月1日から28日までの間だけで4000万円程度の売上があったとみられ、当時の在籍女性従業員は200人程度に上っていた。吉原の店舗は年間数億円の売り上げがあったともいわれている。 なぜ今
「医者を馬鹿にしている」眼科医が“2569円の支払い”求めた裁判で勝訴…コンタクト作った患者は“一生、再診扱い”との査定を東京地裁が違法認定 患者が“中学生のとき、部活のために一度だけコンタクトレンズを作った”——ただそれだけで、その患者が数年後にまったく別の不調で眼科を訪れても、目の状態を測る基本検査の費用が“タダ同然”になる。 患者の立場からすれば「お得」かも知れないが、眼科医にとっては「タダ働き」を強いられることを意味する。 東京都のこひなた眼科(文京区)の藤巻拓郎院長は、そんな査定の取り消しを求め、国の関連団体を相手にわずか2569円の不払いをめぐって3年近く争ってきた。 東京地裁は7月2日、社会保険診療報酬支払基金による査定を違法と判断し、支払いを命じる判決を言い渡した。 藤巻院長は7月9日、こひなた眼科の藤巻栄子事務長とともに都内で会見。「このような運用が続けば、まともに眼科で
大型家電店に“排せつ物”とSNS騒然…「跡が床にありました」「空気清浄機がフル稼働」 “漏らす”行為は犯罪になる?【弁護士解説】 7月上旬、最近オープンした大型家電店のフロアで排せつ物が見つかったとする投稿がSNS上で相次いだ。 本件の真偽はいまだ定かではないが、仮に家電量販店や百貨店などの店内で排せつしてしまった場合、犯罪が成立したり、損害賠償を請求されたりする可能性はあるのだろうか。 「排せつ物が落ちていた」との投稿は多数あるが… 「2階でうんこ漏らしたバカいてたまげる 」 「恐らく (トイレに)並んでて間に合わなかった人の漏らした跡が床にありました」 該当の店舗のフロア内に排せつ物が落ちていたとする情報は、SNS上で複数のアカウントから投稿されている。また、3日だけでなく4日にも排せつ物が見つかったと報告する投稿が複数見られた。 ただし、本件について店舗側の公式発表は行われておらず、
作家・漫画評論家で、日本共産党福岡県委員会により除籍された職員である神谷貴行氏が、同委員会に未払い残業代の支払いを求めた訴訟で、福岡地裁は6月22日、被告の県委員会が原告の請求を全面的に受け入れる「認諾」の電子調書を作成。判決に至ることなく、原告の"完全勝利"で裁判は終わった。 「請求の認諾」とは、被告が原告の法的請求を全面的に受け入れる訴訟上の行為であり、電子調書が作成されファイルに記録されることにより、請求認容(原告全面勝訴・被告全面敗訴)の確定判決と同一の効力を持つ(民事訴訟法266条・267条)。 原告代理人の平裕介弁護士は「請求の認諾は、(被告を全面敗訴させるものであり、被告側代理人弁護士にとって)法律家としては"禁じ手"だ」と評した。 原告側は7月3日、都内で報告集会を開催。神谷氏は「党職員が労働基準法上の『労働者』(同法9条)であると裁判上正式に認められたのは、共産党104年
政府は従来、最低賃金について「2020年代に全国加重平均1500円を達成する」との目標を掲げてきた。だが達成時期を見直し、「2030年代前半」へ先送りすると報じられている。 複数の労組からなる「最低賃金全国一律大幅引き上げ実現!共同アクション」が7月2日、都内で会見。「目標が後退すれば年間の引き上げは44円程度にとどまる」と指摘した。 最低賃金で1年間ほぼフルタイムで働いても、年収(最低額の1023円で月150時間働いた場合)は184万1400円。さらに税金や社会保険料が引かれる。 会見に出席した下町ユニオンの石井美登里氏は「物価高騰を受け、卵2個を子ども3人に分ける、という家庭が存在する。子どもにひとり1個の卵を食べさせられるように、最低賃金を大幅に引き上げてほしい」と訴えた。 「全国一律の最低賃金がベスト」 最低賃金付近で働く人の実態は、統計にも表れている。 全労連が各地で実施してきた
13歳・中学1年生当時、登校のため家を出た男性は、大人およそ10人に取り囲まれた。制服のブレザーの留め具が壊れるほどの力で民間救急の車両に乗せられ、その日のうちに、本人の同意がないまま精神科病院へ「医療保護入院」させられたという。 一連の措置は違法だとして、男性が東京都や病院を運営する医療法人などに総額1億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は7月1日、請求をいずれも棄却する判決を言い渡した。 男性側は、本人の同意なく強制的な入院を可能にする「医療保護入院」制度そのものの違憲性(適正手続の保障(31条)等の違反)も訴えていた。 しかし判決は、制度が憲法に反するかどうかには踏み込まず、個々の措置がいずれも法令に沿ったものだと結論づけている。 大人10人に囲まれ、即日入院 原告の火山優さん(仮名)は2018年2月1日、児童福祉法33条に基づく「一時保護」の名目で児童相談所の職員らに取り囲まれ、
「有休は欠勤扱い、診断書出せ」と強要、団交拒否…JR東海“労使10年紛争”が最高裁で決着、組合“完全勝利”宣言 最高裁は2026年6月12日、JR東海(東海旅客鉄道)が労働組合の団体交渉の申し入れに応じなかったことを巡る行政訴訟で、国(中央労働委員会)側の上告を棄却する決定(※)を出した。会社の団交拒否を不当労働行為と認めた二審・東京高裁判決が確定した。 ※上告に理由がないことが明らかであるため、口頭弁論を開かず、書面審理のみで棄却する方式(民事訴訟法317条2項参照) 発端は、1人の組合員が手術のため年次有給休暇(年休)を取った際、会社の助役から「診断書」の提出を求められたことだった。「年休に診断書はいらないだろう」――。その一言から始まった争いは、決着まで10年近くを要した。 提訴したJR東海労働組合(JR東海労)は6月24日、都内で記者会見を開き、「完全勝利」を宣言した。淵上利和(ふ
弁護士の福永活也氏が、ジャーナリストの「選挙ウォッチャーちだい」こと石渡智大氏(以下「ちだい氏」)の記事で名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高等裁判所(山田真紀裁判長)は24日、福永氏の控訴を棄却する判決を言い渡した。福永氏の請求を全面的に退けた一審・東京地方裁判所判決が支持された。 福永氏は政治団体「NHKから国民を守る党」(以下、N国党)やその設立者である立花孝志氏の訴訟代理人を務め、2024年7月の東京都知事選挙などに同党公認で立候補した経歴を持つ。 本訴訟は、ちだい氏がウェブサイト「note」に投稿した記事中の「自分たちが犯罪行為や不法行為を平然かつ盲目的に次々と行った結果の蓄積であり、」との表現が、福永氏の名誉権および名誉感情を侵害するとして提起された。福永氏は一審で50万円の賠償を求めたが、控訴審では請求額を100万円に拡張していた。 福永氏の「不法行為
東日本旅客鉄道(JR東日本)で、労働組合に加入したばかりの社員に駅長(当時)が「早まるな」「考え直せよ」などと述べて加入を思いとどまらせようとした面談は、不当労働行為に当たる――。 東京都労働委員会(都労委)は今年3月18日、この駅長と運転区副長(当時)の面談発言を、いずれも労働組合法が禁じる「支配介入」と認定する全部救済命令を出した。「支配介入」とは、使用者が労働組合の結成や運営に干渉し、組織を弱体化させる行為を指す。 申し立てを行ったJR東日本輸送サービス労働組合(輸送サービス労組)と八王子地方本部は6月19日、都内で記者会見を開き、命令の意義と、認定後もなお続くという職場での労働組合への偏見・差別の実態を明らかにした。 2つの面談が問題に 都労委が交付した命令書の別紙によると、事件は2つの局面で構成される。1つ目は、2022年4月19日に立川駅で行われた駅長面談だ。社員Aさんは201
フルタイムで「月20万円程度では、とても暮らしていけない」最低賃金労働者が2割の現実…「年収200万」が恒常化する日本の末路 フルタイムで働いても、手元に残るのは月3〜4万円——。最低賃金で働く人が、いまの日本で「人として暮らせる」水準にあるのか。 全国労働組合総連合(全労連)系の労働者と研究者による共同研究会「労研」が、国民生活の最低限保障――いわゆる「ナショナルミニマム」の実現を求め6月19日に会見。 労務管理を長年研究してきた黒田兼一明治大学名誉教授は、「フルタイムで働いても月20万円程度の給料では、とても暮らしていけない」と語った。 月160時間フルに働いても約20万円 「ナショナル・ミニマム」とは、イギリスの社会学者・ウェッブ夫妻が1897年に提唱した概念で、労働者に生産者や市民と同等の生活水準を保障するという考え方を指す。 具体的には①最低賃金②労働時間の上限③労働環境の衛生・
“無実の罪”で懲戒解雇→自死 元勤務先に約8300万円賠償命令も遺族憤慨「本当は倒産してほしい」…背景に会社側の“判決直前”控訴取り下げ 葬儀会社の社員だった男性・Aさん(当時51歳)が、同僚従業員による会社の金銭詐取事件に関与したとして懲戒解雇された後、自死した――。 男性の妻と3人の子が、勤務先だった葬儀会社「おおの」(栃木県鹿沼市)に約1億80万円の損害賠償を求めた訴訟で、会社側は5月27日に予定されていた東京高裁の控訴審判決を前に控訴を取り下げた(取り下げは25日付で26日までに送付された)。 これにより、会社側に約8300万円の支払いを命じた1審・宇都宮地裁判決が同日付で確定。Aさんの遺族と代理人弁護士が6月18日、東京都内で会見を開いた。 Aさんの妻は「1審判決を待ち望んでいたのに、前日になって取り下げられたことに、ものすごい怒りを感じる」と述べ、長男も「とにかく誠意のない行動
口頭弁論期日を終えた直後の原告・倉持尚氏(中央)と代理人弁護士ら。倉持氏自身も弁護士である(8日 東京都千代田区/一般社団法人LEDGE提供) 個人事業主である弁護士らが国を相手取り、保育料を所得税の必要経費と認めるよう求めている訴訟で、6月8日、東京地方裁判所で第6回口頭弁論が開かれた。 本訴訟は、原告らが行った2023年度分の確定申告において、保育料を必要経費として認めなかった税務署の判断は違法であるとして、その取り消しを求め、2025年2月25日に提訴したものである。 従来の課税実務では、保育料は事業と無関係な「家事費」(所得税法45条1項1号)と解釈され、事業所得の計算上、必要経費(同法37条1項)への算入が認められてこなかった。その理由は、必要経費の要件として事業との「直接」の関連性が必要であり、保育料は「育児のための支出」なのでこの要件をみたさないというものである。 これに対し
いじめ「加害者は何一つ失わないが、被害者は…」大人になっても続く“後遺症” 被害経験者らが実態調査実施 いじめ被害の経験者でつくる「いじめ後遺症ドットコム」は4日、都内で会見を開き、「いじめ後遺症」に関する実態調査の結果を公表した。 調査結果からは、いじめ被害者の9割が、被害から長期間にわたって自己肯定感の低下やフラッシュバック、周囲が自分の悪口を言っているように感じるなどの関係妄想といった「いじめ後遺症」を抱えていることがわかった。 会見には調査を行った同団体の主宰のほか、精神科医の斎藤環氏らが登壇。「いじめ後遺症」への理解や被害者ケアの促進、加害者への罰則を盛り込んだ法制度の見直しの必要性を訴えた。 「いじめ」成人後も続く苦しみ 実態調査は「いじめ後遺症ドットコム」が2021年5月から2026年3月にかけて実施し、いじめ被害の経験者252名の回答を基に分析された。 調査結果によると、い
“データ復旧率95.2%”信じ、業者と「費用10万円超+月5万円」プラン契約も守られず…提訴した原告が業界“初”の勝訴的和解を勝ち取る 「データ復旧率95.2%」という表示を信じて依頼したのに、データは戻らなかった――。データ復旧サービス「デジタル・データ・リカバリー」を運営するデジタルデータソリューション株式会社(東京都港区)を相手取り、消費者5名が支払い済みの費用の返還や慰謝料を求めた訴訟で、原告1人が6月3日、東京地裁で和解した。 訴訟は3日に和解が成立したAさんを含む5人が原告となっており、これまでに4人の和解が成立。これで原告5名全員の手続きが終わった。 「泣き寝入りしてしまう人が相当数いるのでは」 Aさんと原告側代理人の山中眞人(まさと)弁護士は6月4日、都内で会見を開き、「和解の具体的な金額は守秘義務の対象となっているが、いずれも請求額を丸のみしていただく形での和解。完勝と言
「このままだと解雇」繰り返し言われ…Google社員が適応障害発症 労組側は「業務改善計画が労働者に極限の心理負荷与えた」と主張 米グーグルの日本法人、グーグル合同会社に勤務する都内在住の男性社員(45歳)が、社内での「PIP」(Performance Improvement Plan=業績改善計画)の開始を契機に適応障害を発症したとして、6月3日、渋谷労働基準監督署に労災申請した。代理人らが同日、都内で会見を開き、経緯を明らかにした。 PIPとは、業績や能力が基準に満たないとされる従業員に対し、1〜3か月の期限を設けて改善目標を課すプログラムである。労働組合のJMITU Alphabetユニオン支部(JAU)は、PIPが事実上「失敗すれば解雇」という構造を持ち、労働者に極限の心理的負荷を与えていると主張している。 「朝8時前から深夜2時3時まで働く生活」 男性は2016年からソフトウェア
阿部慎之助監督「逮捕」を“大ごと”にした犯人はだれか? 弁護士が斬る「児相」「警察」そして「マスコミ」の問題 「家庭の喧嘩が逮捕に!?」「生成AIが奪った仕事:野球監督」などと、阿部慎之助氏の逮捕から始まった出来事は、世間およびインターネット上を騒がした。 「そもそも、有名人だから逮捕されたのではないか」「児相の対応は適切だったのか」「AIに相談するという今時の世代の行為はどうなのか」「マスメディアの報道に問題はなかったか」など、様々な論点にも波及している。 本件について、AIに尋ねても正確な答えは返ってこないだろう。現状では、正確な答えは返ってこないのである。こういう時には、結局のところ、AIが学習する対象である、「詳しい人」のコメントが役に立つ。 私も、弁護士として一応は実際にこのような場面に複数回立ち会ったことがある人間なので、詳しい方だと思う。そこで本記事では、私の知っていることや
法務省は今春、売春の「買う側」への罰則導入を話し合う検討会を設置。専門家、関係者などからの聞き取りを行いながら売春防止法改正の議論を進めている。 大きな焦点は、現行法が「売る側」の勧誘行為を罰している一方で、罰則のない「買う側」をどこまで規制するかだ。しかし、売買春自体に罰則がないなかで、国家が「性生活」という極めて私的な領域に介入することになり得るため、議論には慎重さが求められる。 「個人の自由」と「法的規制」。明確に分けられるべきその境界線はどう定めればいいのか…。憲法訴訟や行政訴訟を中心に担当し、行政法の研究者でもある平裕介弁護士・帝京大学法学部准教授に話を聞いた。(ライター:中山美里) 「普通に憲法問題!」改正には慎重な議論が必要 買春者処罰を主軸とした売春防止法改正が進むなか、その動きについて、「これ普通に憲法問題ですよ!」 とXにポストしたのは平弁護士だ。 法学者、弁護士として
コンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」を利用していたユーザーが、「女性専用ルームから男性が出てきた」とSNSに投稿し、物議をかもした。 コロナ禍を経て利便性の高い無人サービスが広がる一方で、運営の難しさや利用者のマナーが問われる場面は少なくない。運営会社への取材から、無人ジムが抱える課題と、女性の安全確保に向けた取り組みの実情が見えてきた。 発端となったSNS投稿 きっかけは、X(旧Twitter)へのあるユーザーの投稿だった。その内容は、チョコザップに通っていたが、予約していた「女性専用ルーム」から男性が出てきたため退会したというもの。 チョコザップには、会員ならいつでも利用できるトレーニングエリアの他に、別途予約が必要な個室のセルフエステ ・セルフ脱毛ルームなどが複数あり、店舗によってはこの一部が女性専用ルームとして運用されている。 女性専用ルームへの男性の立ち入りが指摘され
東京弁護士会(石原修会長)は5月25日、最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明を公表した。 物価上昇によって最低賃金の引上げ効果が打ち消されていると指摘し、政府が掲げる「2020年代に全国平均1500円」の目標についても「必要な生計費を得るには必ずしも十分とはいえない」と踏み込んだ。 「全体としてはインフレ基調が続いている」 経団連が5月27日に公表した26年春闘の第1回集計では、定期昇給とベースアップ(ベア)を含む大手企業の月給賃上げ率は平均5.46%を記録。3年連続で5%を超え高水準となった。 しかし弁護士会は声明で、こうした賃上げの「勢い」とは別に、賃金が物価上昇で"打ち消されている"実態を指摘する。 東京都の最低賃金は、2025年10月3日発効の改定で時給1226円となった(引上げ額63円、引上げ率5.4%)。一方、東京都区部の消費者物価指数(総合指数)は2020年を100として
生活保護受給40代シングルファザーの「引越費用」申請を役所が却下 “診断書”も“就労内定”もあったが…自立支援を妨げる行政裁量の“ブラックボックス化” 生活保護制度は、生活に困窮するすべての国民に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その「自立を助長する」ことを目的としています。しかし、残念ながら、現実の福祉事務所の窓口では、この法の趣旨から著しく逸脱し、保護利用者の自立へのステップを不当に阻むような行政の対応も散見されます。 今回は、いま東海地方で実際に起きている「引越費用(敷金等)の不支給決定」をめぐるトラブルの事例を紹介します。 これは、日本全国で起きている事態のほんの一例にすぎません。生活保護利用者が直面する理不尽な実態と、「ブラックボックス化」している行政手続きの問題点について、生活保護法や関連法令、裁判例等を踏まえ解説します。(行政書士・三木ひとみ) 追い詰めら
物価高騰が続く中、生活保護基準はほぼ据え置かれ、受給者の生活を圧迫している。こうした状況を受け、日本弁護士連合会(日弁連)は5月20日、衆議院第二議員会館(東京都千代田区)で「生活保護基準の在り方に関する院内意見交換会」を開催した。 専門家の分析に基づき物価上昇に見合った約17~18%の基準引き上げを求めるとともに、現行の「生活保護法」を見直し、利用者の権利性を明確にした「生活保障法」の制定などを提言した。(ライター・榎園哲哉) 受給者「生きていくことで精一杯です」 会では、生活保護の受給者も発言し、物価高騰により困窮している状況を訴えた。 オンラインで会に参加した仙台市在住の男性Aさんは、職場でのパワハラがきっかけで働けなくなり、約5年前から生活保護を受給している。 この5年間で「物価が肌感覚で3割は上がっている」といい「食べること、生きていくことで精一杯です」と窮状を語った。着ているT
2022年10月、藤本宏輝(こうき)さんは、強盗殺人未遂事件の被疑者として逮捕された。訴訟では一貫して無罪を主張したが、2023年11月、神戸地裁で懲役(※)20年の有罪判決を受けた。 ※2025年6月施行の刑法改正により現在は「拘禁刑」 2024年6月、大阪高裁は藤本さんの控訴を棄却。同年9月には最高裁も上告を棄却し藤本さんの刑は確定した。 しかし藤本さんはいまも刑務所の中から、「自分は無実である」と必死に訴えている。 SNSのメッセージ等から「共謀共同正犯」を認定される 2022年3月28日、藤本さんの友人であるA氏(証人尋問の直前に脳梗塞を患い、現在は証言不能の状態)が、被害者のV氏を刃物で襲撃する強盗殺人未遂事件が発生。 3日後の31日、A氏が逮捕された。そして同年10月18日、藤本さんも逮捕される。 藤本さんは、犯行現場にいたわけでも直接手を下したわけでもない。 しかし裁判所は「
上り・下り列車が正面衝突「信楽高原鐡道事故」から35年 赤信号発車、安全装置も動作せず42名死亡…“最悪の連鎖”引き起こした2つの工事 1991年5月14日午前10時35分、滋賀県の信楽(しがらき)高原鐵道で、信楽発の上り列車とJR西日本の下り直通快速列車が正面衝突した。乗客と乗務員あわせて42名が死亡し、614名が負傷する大惨事だった。今からちょうど35年前のことである。 事故の引き金となった出来事だけを取り出せば、話はひどく単純である。信楽駅で、赤信号のまま列車が発車してしまった――それが正面衝突の直接の原因だった。 しかし、赤信号で列車を発車させるなど、鉄道の世界では絶対にあってはならないことである。なぜこんなことが起きてしまったのか。 今回は事故の瞬間から時間をさかのぼる形で、その背景にあったいくつもの事情について考察を加えたい。(島崎敢・近畿大学教授(安全心理学)) 5月14日午
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