孤独な意地汚いお祭り｜古賀及子（こがちかこ）｜note

きのうの朝、パンに塗るものが何もないからなにか買ってきてほしい、願いを聞いてもらえるのであればマーマレードがいいと息子に言われた。 まかせとけと行ったスーパーには小瓶に入った300円のマーマレードと紙の容器に入った100円のマーマレードが並んでおり、両方買った。 かつて、私はジャム売り場の前で安いのを買うか高いのにするかよく悩んだものだ。 両方買えばひとつ200円に均されるではないかといつか気づいて（均されるわけではないんだけども）、ジャムなんていったら家の人々がじゃんじゃん使ってすぐになくなるから2個くらいあっても使い切れずに困るなんてことはないし、人生に安いのと高いのと、ジャムを両方買う選択肢を切り開いたのだ。 起きてきた息子がテーブルを見て「良と駄のマーマレードがある」と言った。 「りょうとだ」と聞いて迷うことなく「良と駄」だとわかるものなんだな、と思った。 言語を共有し通じることに

[gcyn]

『きっと以前はあった午後の追加が今はないんだろう。卵の棚だけ、震災やコロナの混乱でスーパーからものがなくなったころの様相になっており一瞬だが手が冷える』