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『マチネの終わりに』第六章(39)|平野啓一郎
午後六時半頃、蒔野の自宅の電話がなった。恩師である祖父江誠一の娘の奏(かな)だった。 「どうしたの... 午後六時半頃、蒔野の自宅の電話がなった。恩師である祖父江誠一の娘の奏(かな)だった。 「どうしたの? 珍しいね。」 「実はあの、……お父さんが脳出血で倒れて、救急車で運ばれて。」 「……今どこ?」 「病院だけど、先生が、危険な状態だから、知らせるべき人には連絡した方がいいって言うから。聡史君には一応、と思って。」 温厚な性格の奏は、気丈に落ち着いた口調で伝えたが、その声は、冷たい床の上に、裸足で立たされているかのように微かに震えていた。 病院の名前と場所を聞くと、蒔野は、時計に目を遣って、「すぐに行くから。」と電話を切った。祖父江の死に目に会えないかもしれないということ、助かっても後遺症でギターはもう弾けないのではないかということなど、様々な考えが一時に溢れ出して、胸がいっぱいになった。病院の場所をネットで調べると、すぐに家を飛び出した。 洋子にも連絡しなければならなかったが、状況がわかっ