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【短編】兄の婚約|上田聡子
兄が婚約者だという人を、実家に連れてきたのは、炎暑のさなかのことだった。ことのはじまりは、一週間... 兄が婚約者だという人を、実家に連れてきたのは、炎暑のさなかのことだった。ことのはじまりは、一週間前、兄から電話が母へとかかってきたのだった。妹の私は、風呂上りに棒アイスを食べながら、事の次第に聞き耳をたてていた。 「え、7月の三連休に帰って来る?……結婚したい子を連れて?」 私たちの実家がある北陸の小さな町から、兄は大学進学と同時に上京し、そのまま東京で就職した。IT企業のエンジニアとなって。電子機器やパソコンの仕組みばかりに興味があり、髪はいつもぼさぼさで、朴念仁の兄に、まさかそういう人ができたとは。 「どんな子かしら」と、嬉し気でもあり不安げでもある母のとなりで、私は食べ終わったアイスの袋と棒をゴミ箱に放り込み、バスタオルで頭を拭いた。 ……結婚、私のほうが先だと思ってたんだけどな。人知れずそう呟いてみる。 兄は35歳、私は31歳。4つ上だけど、あの人に兄貴らしい頼もしさや強気など感じ