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吉川『三国志』の考察 第299話「北斗七星旗(ほくとしちせいき)」
4輛(りょう)の同じ四輪車を用いた諸葛亮(しょかつりょう)の巧妙な計に、司馬懿(しばい)ひきいる魏... 4輛(りょう)の同じ四輪車を用いた諸葛亮(しょかつりょう)の巧妙な計に、司馬懿(しばい)ひきいる魏軍(ぎぐん)は大混乱を起こす。 やがて司馬懿は、捕らえた蜀兵(しょくへい)から真相を聞きだすが、かえって諸葛亮の知謀に恐れを抱く。 第299話の展開とポイント (01)隴上(ろうじょう) 「なるほど、妖気が吹いてくる……」 司馬懿は眸(ひとみ)を凝らして遠くを望み見ていた。 ★『三国志演義大事典』(沈伯俊〈しんはくしゅん〉、譚良嘯〈たんりょうしょう〉著 立間祥介〈たつま・しょうすけ〉、岡崎由美〈おかざき・ゆみ〉、土屋文子〈つちや・ふみこ〉訳 潮出版社)によると、「隴上は地域名。隴山、現在の陝西省(せんせいしょう)隴県以西を指していう。現在の甘粛省(かんしゅくしょう)に相当」という。 陰風を巻いて駆けきたる一輛の車には、それを囲む28人の黒衣の兵が見える。髪をさばいて剣を佩(は)き、みな裸足。北
2020/05/18 リンク