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吉川『三国志』の考察 第276話「王風万里(おうふうばんり)」
盤蛇谷(ばんだこく)へ誘い込み、兀突骨(ごつとつこつ)と配下の藤甲軍(とうこうぐん)を焼き尽くし... 盤蛇谷(ばんだこく)へ誘い込み、兀突骨(ごつとつこつ)と配下の藤甲軍(とうこうぐん)を焼き尽くした諸葛亮(しょかつりょう)。 ななたび孟獲(もうかく)を捕らえ、ななたび放そうとするも、彼はいつものように立ち去らず、男泣きに許しを乞う。ついに諸葛亮の思いが通じたのだった。 第276話の展開とポイント (01)諸葛亮の本営 その夜、諸葛亮は諸将と会した末に、今回の盤蛇谷における計(はかりごと)などについて、兵法講義にも似た打ち明け話を聞かせる。諸将はみな、丞相(じょうしょう)の神知測るべからずと、三嘆して拝服した。 翌日、諸葛亮は営内の檻房(かんぼう)から、孟獲や祝融(しゅくゆう)、帯来(たいらい)や孟優(もうゆう)に至るまで数珠つなぎに引き出し、憫然(びんぜん)と言った。 「さてさて、性なき者にはついに天日の愛も通らぬものか。人とも思えぬ輩(やから)、見る目も恥ず。早く解いて山野へ帰せ」 そ
2020/05/18 リンク