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『柄谷行人浅田彰全対話』 | 荒野に向かって、吼えない…
『柄谷行人浅田彰全対話』 一九八七年から九八年にかけて行われた柄谷行人と浅田彰の六つの対話が収録さ... 『柄谷行人浅田彰全対話』 一九八七年から九八年にかけて行われた柄谷行人と浅田彰の六つの対話が収録されている。なおこの二人は座談会などを含めるとこれ以外にも膨大な「対話」を残しているので「全」とつけてしまうのは誤解を招くタイトルであろう(多分『柄谷行人蓮實重彦全対話』に合わせたのだろうけど)。 例によって挑発的というか放言めいているところも多数あるので、そのあたりは割り引いてというか慎重に受け止めねばならないのであるが、時事的な要素を多く含んだ対談というのは時間がある程度経過すると読めたものではなくなるのがほとんどだが、今読んでもというだけでなく今読むことで、新たに見えてくるところがあるというのはさすがとすべきだ。 本書収録のなかで一番有名なのが、一九八九年に行われた「昭和精神史を検証する」を改題した「昭和の終焉に」の冒頭の浅田のこの言葉だろう。 「実をいうと、僕は昭和について語りたいとはま
2020/02/19 リンク