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小フーガの囁き
ビターチョコレート Ⅰ 古城のパイプオルガン 壮麗なパイプオルガンの管一つ一つが波打つような光りを宿... ビターチョコレート Ⅰ 古城のパイプオルガン 壮麗なパイプオルガンの管一つ一つが波打つような光りを宿し、旋律ごとに音を天へと押し上げるかのようだ。 小フーガト短調が弾き鳴らされる。カイルの鍵盤を奏でる長い指は、そしてその静かな眼差しは麗子の心を惹きつけ止まない。 幾重にも重なり合っていく音の調べは、まるで森林の葉隠れが光り、そして風のヴェールまでも重なり合ってゆく生命の息遣いを表すようでもある。 長椅子に座る麗子はその響き渡る調べ一つ一つをまるで掴み取るかのように聴いていた。 曲が終焉を迎え、カイルのウェーブ掛かる金髪の頭部が天を向き指が上がった。余韻を引く音はパイプを流れて、この空間に余波としてしんみりと広がった。カイルは腕を下ろし、静かに半身を麗子に振り向かせた。 「どう? 音は掴めたかな」 「ええ。的確に分かったわ」 カイルが微笑み、すっと立ち上がると麗子のいる場所まで降りてくる。