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少年時代の情景
近所に幽霊屋敷と言われるものが3軒あった.どれも人気(ひとけ)のない家であった. ある時,その内の... 近所に幽霊屋敷と言われるものが3軒あった.どれも人気(ひとけ)のない家であった. ある時,その内の一軒に仲間と進入した. 中は暗く荒れていた.暗くて恐かった.一人が恐くなって大きな声をあげてあわてて逃げ出すと,みんなで雪崩を打つように外に出た.あとで,変な音が聞こえた,などを語り合った. もう一軒は近くにある古家だ.玄関にも雑草が生い茂り長いこと人気のない家だ.確かめたわけではないが,鍵がかかっているらしいと言うことで,あえて入ろうとはしなかった. 最後に紹介する一軒は広場と隣接するところにあった,円形の窓を有する洋館だ.ここもひっそりとしていて,不気味な気配があった. ある時,広場で例によって野球をしていると,その洋館の庭にボールが入ってしまったのである.我々は仕方なしに洋館の玄関の方に回った.そこから庭に入りボールを取ろうとしたのである. 玄関の方に回ると,意外なことに表札がかかってい