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タイムスリップする「日本一短いトンネル」 ― 川根電力索道用保安隧道の郷愁 - TOCANA
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」―川端康成の代表作『雪国』は、北国に向かって進む列車が... 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」―川端康成の代表作『雪国』は、北国に向かって進む列車が長いトンネルへと入り、そこから出た瞬間の変化を、シンプルながらも鮮烈な印象を残す描写で幕を開ける。こうした描写からもわかるように、とかく、トンネルというものは、それこそ入口前の世界と、出口後の世界を大きく隔ててしまうような、そんな「長い」というイメージがつきまとうものである。しかしそうした世人の固定観念を覆すトンネルが、静岡県に存在している。 1980年に公開された鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』のロケ地としても知られるこの場所は、浜松から小一時間ほど離れた川根本町の、のどかな田園地帯の中にある。 SLの運行で知られる大井川鐵道の線路をまたぐようにしてそびえ立つその姿は、一見してわかるように、我々のイメージしがちなトンネルを、ロールケーキを輪切りにしたような奇異な存在だ。その姿から、
2016/05/08 リンク