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リベラリズムは時代遅れなのか……フランシス・フクヤマが書いた擁護論『リベラリズムへの不満』の読みどころ | レビュー | Book Bang -ブックバン-
歴史的名著『歴史の終わり』の著者フランシス・フクヤマによる一冊『リベラリズムへの不満』が刊行され... 歴史的名著『歴史の終わり』の著者フランシス・フクヤマによる一冊『リベラリズムへの不満』が刊行された。 リベラリズムへ向けられる理論的批判に答えつつ、リベラリズムの価値と再生への道を提示した本作の読みどころを、東京大学教授の宇野重規さんが紹介する。 宇野重規・評「あのフクヤマが書く堂々たるリベラリズム論」 タイトルは『リベラリズムへの不満』であるが、内容は堂々たるリベラリズムの擁護論である。ただし、あのフクヤマが書くリベラリズム論である。右派のポピュリズム、左派のアイデンティティ政治によるリベラリズム批判に応えつつ、ジョン・ロールズに代表される現代アメリカのリベラリズムともはっきりと距離を取る点に特徴がある。ロールズの立場が中道左派的なリベラリズムであるとすれば、フクヤマは中道右派的なリベラリズムとも言える。コンパクトな本であるが、極めてバランスの取れた「王道」的なリベラリズム論であろう。
2023/06/20 リンク