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AR 技術を用いた稀覯資料の実物体上での美観回復
現代の美術品の位置付けでは美観回復のための不可逆的な修復が許されないことが多い.本研究では,この... 現代の美術品の位置付けでは美観回復のための不可逆的な修復が許されないことが多い.本研究では,この問題に拡張現実感技術を応用して実世界での美術品の仮想復元を行う手法を提案する.提案手法では,あらかじめ計測した劣化のない状態のテクスチャ画像から修復のための補正画像を生成する.美観回復を行う方法として,マーカトラッキングにより稀覯資料の位置検出を行い,その後液晶プロジェクタで補正画像を投影する.また,稀覯資料の姿勢を検出し,phong のモデルに基づいて光沢復元を行う.サンプル画像による退色復元と光沢復元の実験結果より,補正画像を投影することにより現実世界での仮想的な退色復元と光沢復元が実現できることを確認した.