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【米雇用情勢】金融危機後の賃金動向
米国経済は金融危機で失われた雇用の「量」の面での回復は進んできたが、「質」の面での回復が遅れてい... 米国経済は金融危機で失われた雇用の「量」の面での回復は進んできたが、「質」の面での回復が遅れている。「雇用の質」を反映する指標のなかでも、賃金上昇率の動向には注目が集まる。イエレンFRB議長が雇用環境の改善は最終的に賃金に波及すると指摘しており、またインフレ率にも深く関係する指標だからである。雇用者全体の賃金総額である雇用者報酬は、金融危機前の伸び率まで回復していない。これを雇用者数、労働時間、時間当たり賃金の要因に分解すると、特に時間当たり賃金が伸び悩んでいることが分かる。金融危機後の雇用増を業種別に見ると、製造業の雇用が失われる一方でサービス業の雇用が拡大している。サービス業のうち雇用が増えた業種には、労働時間の短い教育・医療サービス業や、低賃金でかつ労働時間も短い娯楽・接客サービス業が挙げられ、金融危機以降の雇用シフトが賃金上昇率の抑制に影響した面がある。ただし、雇用シフトによる賃金