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【巨編に挑む】背教者ユリアヌス 今こそ尊ぶ「寛容の精神」
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【巨編に挑む】背教者ユリアヌス 今こそ尊ぶ「寛容の精神」
身も蓋もない本音が叫ばれ、寛容であろうとする気持ちが世界から失われつつある。人類が共存しようとす... 身も蓋もない本音が叫ばれ、寛容であろうとする気持ちが世界から失われつつある。人類が共存しようとするなら、寛容の精神以外によりどころはないはずだ。だが、流動する世界の中で自分の安定が揺らげば、異分子を敵に見立てて排除しようとする。人間とはそういうものだ。私が辻邦生の『背教者ユリアヌス』を読んだのは40年前のこと。寛容の精神を尊び、一神教の狂信的・排他的な教徒に節度を求めたローマ皇帝の32年の生涯を描いた壮大な物語だ。「こんな時代だからこそ」と、400字詰め原稿用紙にして2300枚の巨編を一気に再読した。(桑原聡) ◇ 辻はギボンの『ローマ帝国衰亡史』をはじめ多くの史書を渉猟し、史実に基づきながら、そこに架空の魅力的な人物を配して、物語を織り上げてゆく。これほど読書の愉悦を味わわせてくれる作品はざらにない。 時代は4世紀前半。キリスト教を公認し、みずからもこれに改宗したコンスタンティヌス大帝が