【法律家の目】社会的制裁受けた日馬、起訴猶予の可能性が高い

日馬富士が引退することを発表し、事件は刑事手続がどうなっていくかに移ってくる。鳥取県警は年内にも書類送検する方針。検察の捜査が終了した段階で、起訴か不起訴かということになるのだが、現状では不起訴の区分のひとつである起訴猶予の可能性が最も高いだろう。 自ら引退を決めたということはつまり、今の時点で職を失ったということだ。事件は新聞やテレビで連日報道され、引退会見も生中継された。社会的制裁は十分受けたと検察は判断するだろう。貴ノ岩側との示談はまだなされていないが、示談が成立すれば間違いなく起訴猶予となるはずだ。 もし起訴されれば、略式起訴か公判請求という流れになる。略式起訴は検察官が提出した資料に基づき、簡易裁判所が公判を開かずに罰金などを科す手続き。公判が請求されれば日馬富士は被告として出廷を求められることになるが、これはまずないだろう。