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父親が、自動車だった - 未来の蛮族
ずっと、自分の車を持つことに憧れていた。 それは、僕という人間が、どうしようもなく二十世紀人である... ずっと、自分の車を持つことに憧れていた。 それは、僕という人間が、どうしようもなく二十世紀人であるからかもしれない。 二十世紀の男にとっては、車はただの機械じゃないのだ。 二十世紀の僕、まだ幼い子供だった僕は、エンジンと、四つの車輪を持つものには何だって憧れていた。 ポルシェ、メルセデス、トヨタ、ホンダ、フォード……。今では何一つ覚えちゃいないのだが、当時の僕は世界中の車を暗記していたらしい。 スポーツカーが好きだったし、ファミリーカーも好きだったし、消防車だって愛していた。 当時の僕の愛読書は、もちろん『しょうぼうじどうしゃ じぷた』*1だ。 しかし、何といっても一番好きだったのは、我が家の車だ。 それは、常に幸福な記憶と結びついている。 少し角ばったそのセダンに乗り込むとき、僕はいつだってわくわくしていた。 行き先がどこであろうと関係がなかった。 マクドナルドのドライブスルーだって、当
2008/11/02 リンク