【読み物】左足首に犬 - ←ズイショ→

がらーんとしてるとはまさにこのことだ。 仕事終えて家路についてガチャっとドアを開けたら気配がする。誰もいない気配がする。本来であれば妻がいるはずのそういう感覚がまったくない気配がする。案の定、誰もいない。こんな時に昨日までと比べて部屋がずいぶん広く思えるみたいな比喩を時たま見かけるけどありゃあ嘘だな。一人分減っただけだ。この家は、昨日と同じとおりでただ妻だけがいない。人っこ一人分、広々としていやがる。 それだけだ。 そう言ってしまえばこの家は、ずっと俺とあいつがいるだけの空間だった。家庭とかそういう感じ全然なかったままだった。いずれ家庭になるだろうなと思っていた、お互いに。ここに俺と妻に続く三人目さえやってきてくれれば、それでうまく回るだろうとお互いに楽観視していたところは多分にある。そして三人目は遂にやってこなかった。遂に、と言うのは、つまり俺たちがいつのまにか諦めてしまったということだ

[zuiji_zuisho]

おとぎ話を書きました

[inujin]

たぶん自分もいったん傘立てに置くと思った

[ankoro]

筒井康隆の「母子像」「遠い座敷」を思い出したヾ(｡>﹏<｡)ﾉﾞ

[koh0605]

やってることは、犬にドッグフードを食べさせただけ。それだけでここまで展開できる筆力がすごすぎてなんもいえねぇ。どこか哀愁を感じるのはなぜだろう。

[miragestlike]

モグラって何

[hana5521]

とてもよかった

[pyaoo]

【読み物】左足首に犬 - ←ズイショ→

[kyokucho1989]

かなしい