酒井順子さん「地震と独身」 「身軽さ」が生んだ新しい「絆」＋（1/3ページ） - MSN産経ニュース

東日本大震災発生後、世の中は「絆」といった言葉であふれた。その多くが「家族」という文脈で語られたもの。では、自らの家族を持たない独身者はどうしていたのか－。酒井順子さん（４７）のエッセー集『地震と独身』（新潮社）では、これまで語られてこなかった独身者たちの震災がつづられている。震災は地縁血縁とはまた別の、新たな「絆」をもたらしていた。（戸谷真美） ◇ ◆つながってない 「『絆』という言葉が使われすぎて形骸化してしまったように感じました。それは本当に家族中心だったので、被災地の独身の方はどう思っているのだろう、と考えたんです」 酒井さんは数多く報道された家族の物語に隠れた「独身者の震災」を知るため、一昨年夏からほぼ１年半、被災地の内外で約５０人の独身者に取材した。都会を離れ故郷に戻った人や原発事故に不安を抱き沖縄に移った人、逆に被災地でボランティアをし、そ