私は誰？記憶失い施設に２年 千葉・野田で保護の男性：朝日新聞デジタル

「私は誰なのか？」。記憶を失い、身元がわからぬまま施設で２年間暮らす男性がいる。家族や勤め先のばくぜんとした記憶は頭に残っているのに、肝心の部分が抜け落ちている。顔写真が公開されても、有力な情報は届いていない。 男性は「野田太郎」さんと呼ばれている。「家に帰りたい。２階建ての家でした。どうなってるか心配です」。千葉県野田市にある施設の応接室。男性は淡々と話した。７０歳以上だと自分で思っている。 東武・野田市駅前の交番に「道に迷ってしまった。自分の名前もわからない。どこに住んでいるのかも思い出せない」と自ら駆け込んだ。買い物に行こうと自転車で家を出た記憶はある。一晩中歩き回り、交番に助けを求めた。「頭が真っ白になっちゃった」。免許証や財布は持っていなかった。２０１２年１１月１日のことだ。 市が保護し、養護老人ホームで… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

[maturi]

2年間