愛知）愛知製陶所、７５０年続いた焼き物作りに幕 瀬戸：朝日新聞デジタル

西洋アンティークなど輸出向けの磁器を製造してきた瀬戸市の老舗メーカー「愛知製陶所」が昨年末、７５０年近く続いた焼き物づくりに終止符を打った。食卓などを彩る飾り物の「オーナメント」を手がけ、戦後の陶都・瀬戸の繁栄を支えたほか、若手芸術家の育成や街のにぎわいづくりに貢献した。同市下陣屋町の製造工場では解体工事が始まり、窯の火がまた一つ消えたことになる。 同社の歴史は鎌倉時代までさかのぼる。江戸時代の１８１８年に陶器から磁器の製造に移行。１８８６年には欧米への輸出を始めた。装飾を施したつぼや花瓶、動物の置物などをつくってきた。高い技術力で、戦後は瀬戸有数のオーナメントメーカーに。ノベルティー（陶磁製置物）、洋食器と並ぶ輸出陶磁器の主力として、瀬戸の基幹産業として隆盛を極めた。 分業生産が大半を占める陶磁器業界で、同社は原石の製土から成形、焼成、絵付けまでの全工程を自社工場で行う一貫製造にこだわっ