無記 | 日日是好日 | 彼岸寺

法事でのお経を終え、お檀家さん達を見送ろうと立ち上がると、そのご家族の幼稚園くらいの男の子がわたしの足下を覗き込んでいだ。そして、「シンケンジャーと同じ靴下だ！！」と、かなり興奮した様子で指さしたのだ。どうやら、その男の子が好きな戦隊もののヒーローが足袋を履いているそうで、それをリアルで着用している人を初めて見たようだ。さらに男の子は、「おじさんは、もしかしてシンケンジャーなの！？」と聞いてきた。その目のなんとキラキラ輝いていることか。わたしは、ぐっと答えに窮してしまった。幼稚園の子どもの多くは大きくなったら「仮面ライダー〇〇になりたい」とか「〇〇ジャー（戦隊もの）」になりたいと答える。この子もそうなのかもしれない。だとしたら、この子の夢を壊してはいけない！とも思ったし、そもそも自分はシンケンジャーなるものを全く知らないから、適当なことを言うわけにもいかない。そもそも自分の記憶の中をさらっ

[fuga_maito]

無言、ということの深みを表した文章だな。「何も言わない」ことを言う、そんな場合もある。