放射線疫学研究手法に関する概要情報

7. 因果関係の判断基準 7-1 コッホの原則 疫学研究、特に観察的疫学研究は動物実験と比べて様々な弱点を持っている。これらの欠点を踏まえながら因果関係を判断するための基準を作ろうとする試みが古くから行われてきたが、その際に参考とされてきたのが表 22に示したコッホの原則（Henle-Koch postulate）である。 コッホの原則は今日でも感染症の原因を同定する際にしばしば参照される。しかし、病気の原因と疑われている細菌やウィルスなどが、これに対する免疫を持たない個体内に潜んでいても病気の発生に至らない場合があることは良く知られており、その例を挙げれば腸チフスや肝炎ウィルスなど枚挙に暇（いとま）がない。また、三番目の原則を満たしているかどうかを検討するには、感染によりヒトと同じような病気が起こる動物が必要となるが、そのような動物がいつも見つかっているとは限らない。結局、感染症の原因同

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"7-2　ヒルの基準"というところにHillの基準の解説がある。