ゴムのように伸び縮みするゲルを開発（基礎研究最前線）

伊藤 耕三 （いとう こうぞう） （東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授） 戦略的創造研究推進事業（CRESTタイプ） 研究領域「医療に向けた自己組織化等の分子配列制御による機能性材料・システムの創製」研究代表者 ゲルと言えばゼリーや寒天、豆腐といったプルンプルンした壊れやすい物体を連想しますが、東京大学大学院新領域創成科学研究科の伊藤耕三教授は、ゴムのように伸び縮みするゲルを開発しました。引っ張れば最大で24倍の長さにまで伸び、手を離せば元に戻る優れものです。これほど弾力性のあるゲルはこれまでありませんでした。水の中に入れると自重の約24,000倍もの水を吸う抜群の吸水性も併せ持っています。既に企業と実用化を目指す共同研究に入っています。 予期せぬ出会いがきっかけ ゲルとゼリーは同意語で、ゼリーのことをドイツ語でゲルと言います。 今回のゲルは、大阪大学理学部の原田明教授の研究成果がベ

[nobuharasawa]

伊藤教授らは、ポリロタキサンの粉末を水に溶かして、架橋剤を加えると、シクロデキストリン分子が「8の字状」に結合（架橋）して透明なゲルができることを発見　RT@