河北新報 東北のニュース／浸水水田 実り祈る 気仙沼で田植え

浸水水田 実り祈る 気仙沼で田植え 津波で押し流された家屋や車などが周囲に散乱する中、田植えが行われた＝１８日午前１０時ごろ、気仙沼市最知南最知 東日本大震災の津波で大部分が被害を受けた宮城県気仙沼市最知南最知の水田で１８日、田植えが行われた。塩害や排水施設の損壊で周囲の農家がことしの作付けをあきらめる中、兼業農家の阿部栄さん（７３）は約７アールにひとめぼれを植えた。 ワカメの養殖も手掛ける阿部さんは、津波で自宅や養殖施設、農機具など全てを失った。所有する７０アールの水田もほとんどが冠水。現在は家族３人で市内の親戚の家に身を寄せている。がれきを取り除いて雨水を入れ、親戚の手助けもあって田植えができる状態にまでこぎ着けた。 阿部さんは「せめて田んぼ一枚でも作って食う足しにしたい。再生の第一歩として何とか穂が出ることを願っている」と、風に揺れる苗を見つめた。

[SasakiTakahiro]

塩害や排水施設の損壊で周囲の農家がことしの作付けをあきらめる中、兼業農家の阿部栄さん（７３）は約７アールにひとめぼれを植えた。

[shihu]

気仙沼市最知南最知の水田で１８日、田植えが行われた。