Nikon｜知られざるニコンの歴史｜ステレオ写真彫像法

ニコン（当時：日本光学工業）は、1936（昭和11）年から1946（昭和21）年まで人物の銅像製作事業を行っていた。 銅像は、モデルとなる人物などの姿を模して製作する。彫刻家がモデルを見ながら、あるいは写真でモデルを確認しながら、粘土で銅像の原型をつくるのが一般的である。その後、この原型から鋳型がつくられ鋳造工程が行われる。 原型がモデルの形を正確に再現していなければ、良い銅像はできない。原型製作には高度な技能が必要とされる。 ステレオ写真彫像法の「ステレオ写真」は「立体写真」ともよばれ、平面の写真を用いて立体視を行うものである。 人の眼幅は、平均で65ミリメートル程度である。眼幅によって左右の目からは、わずかに角度のずれた像が見える。これが「視差」である。人の脳はこの視差を利用して、奥行きを知覚し立体視を可能としている。このしくみを利用し、視差が生じるように撮影した2枚の写真を、左