【児童・ＹＡ小説はいま】（１）岩波少年文庫 変わらぬ魅力 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

海外の児童文学を中心に数々の名作を日本に紹介してきた岩波少年文庫（岩波書店）が今年、創刊６０周年を迎えた。 終戦まもない１９５０年、児童文学者の石井桃子らの尽力で誕生し、これまでに約４００タイトルを発行、現在も『星の王子さま』『宝島』など２６０点が流通するが、目指すものは今も変わらない。 それは、子供たちへ希望を与えること。創刊時は、海外旅行など想像すらできなかった時代だったが、「本の中でなら、どこへでも行けた。自分の日常とは違うものを見て多くの刺激を受けた、という声が多かったそうです」と、児童書編集部の愛宕（あたご）裕子課長。 では、豊かになり、インターネットなどの発達で、世界の情報が簡単に手に入るようになった今の日本ではどうか。愛宕さんは「魅力は古びない。例えば、国や文化や時代が異なっても、思春期の葛藤（かっとう）などは共通していますから」と言う。 両親の離婚で引き裂かれた姉妹の物語『