広島の「黒い雨」地域拡大要望、実現厳しく : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

原爆投下後の広島で降った放射性物質を伴う「黒い雨」を巡り、広島県と広島市などが被爆者援護の対象となる「大雨地域」の拡大を求めていることについて、厚生労働省の有識者検討会は２９日の会合で、「拡大を要望された地域で、放射線による健康への影響が生じたとは考えられない」とする最終報告書案に大筋で合意した。 国は報告を受けて拡大の是非を判断するが、要望の実現は厳しくなった。 爆心地から北西に長さ約１９キロ、幅１１キロの「大雨地域」で黒い雨に遭い、がんなどを発症した場合、被爆者健康手帳が交付される。県と市は、２００８～０９年度の調査で、従来の６倍の範囲で黒い雨が降った可能性が浮かんだため、国に拡大を求めていた。