高裁でも国の不作為認める判決…泉南石綿訴訟 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

第２陣の控訴審に勝訴し、笑顔を見せる原告団の弁護士（手前２人）と支援者ら（２５日午後、大阪市北区で）＝吉野拓也撮影 大阪府南部・泉南地域のアスベスト（石綿）紡織工場の元従業員ら５８人が国に計６億９７００万円の損害賠償を求めた泉南石綿訴訟第２陣の控訴審判決で、大阪高裁は２５日、５５人に計約３億４４００万円を支払うよう国に命じた。 山下郁夫裁判長は、国が石綿による健康被害を防ぐための規制を怠ったと認め、１審・大阪地裁判決の賠償額を倍増した。石綿被害を巡る訴訟で国の不作為責任が高裁で認められるのは初めて。 泉南石綿訴訟では、原告側が第１陣の１審で勝訴、控訴審で敗訴、第２陣の１審で勝訴し、国の責任に対する判断が分かれていた。国は上告するとみられ、第１陣を含め最高裁が最終的に判断する見通し。 判決は、石綿粉じんの吸入と石綿肺発症の因果関係が明らかになったのは、国の研究報告があった１９５８年と判断。旧